『椿姫』
山本康介演出振付作品✨
プロフィール
愛媛県今治市生まれ。7歳よりバレエを始める。1996年、13歳という若さで名古屋世界バレエ&モダン・ダンスコンクールにおいて審査員特別賞、ポーランド国立オペラ劇場よりニジンスキー賞を受賞。1998年英国ロイヤルバレエ学校入学。2000年首席卒業者に贈られるニネット・デ・ヴァロワ賞を受賞し、イギリスを代表する振付家デヴィッドビントレー率いるバーミンガム・ロイヤル・バレエに入団。数々の作品でプリンシパル・ソリストを務め、バレエ団の公演においても振付を手がける。帰国後は振付家、演出家、指導者として活動し、『プレミアムカフェ』(NHK)『らららクラシック』(NHK)『ローザンヌ国際バレエコンクール』(NHK)の解説者としても出演。著書『英国バレエの世界』(世界文化社)を出版。英国ロイヤル・バレエ団、香港バレエ団、新国立劇場バレエ団、スターダンザーズバレエ団、谷桃子バレエ団、東京シティバレエ団 ゲスト教師
洗足学園音楽大学教授
主演: 中村祥子 マルグリット・ゴーティエ役
中村祥子
1980年生まれ。6歳からバレエを習い始める。1996年、ローザンヌ国際バレエコンクールでスカラシップ賞を受賞。1998年までドイツ・シュトゥットガルトにあるジョン・クランコ・スクールに留学。2000年、ウィーン国立歌劇場バレエ団に入団。2001年、ドイツ・ルクセンブルグ国際バレエコンクールで 1位受賞。2002年、ソリストに昇格。2006年、ベルリン国立歌劇場バレエ団に入団、2006年にソリスト、2007年プリンシパルに昇格。2013年、ハンガリー国立歌劇場バレエ団にプリンシパルとして移籍。2015年から日本を拠点にKバレエカンパニーのゲストプリンシパルとして活躍する。16年第66回芸術選奨 文部科学大臣賞(舞踊部門)、第47回舞踊批評家協会賞、18年第39回橘秋子賞優秀賞 受賞。20年第34回服部智恵子賞受賞。20年からK-BALLET TOKYO名誉プリンシパルとなる。現在はフリーのダンサーとして様々な分野で精力的に活動中。
主演: 厚地康雄 青年アルマン・デュヴァル役
栃木県出身。石原千代に師事。
2003年、NBA全国バレエコンクール審査委員長特別賞受賞。同年、英国ロイヤルバレエスクールに留学。在学中にバーミンガムロイヤルバレエ団(BRB)監督のデービッド・ビントレーの目に留まり、2006年2月に卒業を待たずにBRBに入団した。同年7月、ロイヤルバレエスクール卒業公演にゲストとして招かれ、ロイヤルオペラハウスでアシュトン『誕生日の贈り物』プリンシパルカップルを踊った。
2011年、デービッド・ビントレーの新国立劇場バレエ団芸術監督兼任を機に、彼に勧められて同バレエ団にソリストとして移籍する。同年の『くるみ割り人形』で主役デビュー、翌年ファーストソリストに昇格。2年半の在籍中、『ジゼル』『ドン・キホーテ』など、多数の作品で主役を務めた。
2013年に、BRBにファーストアーティストとして再入団。
同年、ライト『くるみ割り人形』、ビントレー『パゴダの王子』で主役に抜擢された。2018年の日本ツアーではライト『眠れる森の美女』の王子で錦を飾り、同団初めての日本人男性プリンシパルになった。
長身を生かしたダイナミックな踊りと、王子から悪役までの幅広い役柄の演じ分けでイギリス国内で好評を博した。特に『ロミオとジュリエット』ロミオ役と『白鳥の湖』王子役では地元メディアから高い評価を得た。
2022年に活動の拠点を日本に移し、NHKバレエの饗宴、東京バレエ団ガラ公演、NBAバレエ団『ドラキュラ』、小林紀子バレエシアター『シンデレラ・スウィート』など、多数の国内公演にゲスト出演している。2023年に今後の活躍が期待される芸術家として宇都宮市から宇都宮エスペール賞を授与された。2024年、ミュージカル「ビリー・エリオット」に出演。
『椿姫』 あらすじ
プロローグ
亡くなった高級娼婦・マルグリットの邸宅で、彼女の遺品の競売が行われている。生前のマルグリットと関わりのあった人々が訪れる中、マルグリットの恋人であった青年・アルマンが駆け込んでくる。彼女の死を現実として突きつけられ、倒れこむアルマン。彼を助け起こした父のデュヴァル氏も、自分の家族と彼女のため良かれと思ってしたことが招いた悲劇に苦しんでいる。アルマンは、見覚えのある彼女の数々の遺品を前に、マルグリットとの日々を回想する。
アルマンが初めてマルグリットに出会った劇場。艶やかに微笑みアルマンをからかう美しい彼女がどういう種類の女か知りながら、彼はマルグリットにどうしようもなく惹かれていく。舞台では『マノン・レスコー』が演じられるが、マルグリットとマノン、アルマンとデ・グリュが鏡像のように向かい合い、彼らの運命を暗示する(第1楽章)。具合が悪くなり、居室に下がったマルグリットを見舞うアルマン。彼の情熱的なアプローチにマルグリットも次第に心を動かされ、彼に椿の花を手渡す。しかし、マルグリットはアルマンの想いを受け入れた後も、彼の気持ちにお構いなく相変わらず放埓な生活を続ける(第3楽章)。
夏、マルグリットはアルマンや友人たちと田舎の家で遊び暮らしている。その様子を見たパトロンの公爵は激怒するが、マルグリットはアルマンを本気の恋人だと公言し、公爵との関係を断つ。マルグリットはもはや娼婦ではなく、ただの恋する乙女としてアルマンとの真実の愛に生きようとする。だが、2人の関係を知ったアルマンの父・デュヴァル氏がマルグリットを訪ね、息子と別れて欲しいと懇願する。内心ではデュヴァル氏と同じことを考えていたマルグリットの脳裏に「マノン」の姿がよぎる。苦悩の末、「自分は『マノン』にはなるまい」と、マルグリットはアルマンとの別離に同意する(前奏曲第15番)。アルマンの留守に手紙だけを残して姿を消したマルグリットを追って、彼はパリに駆け戻るが、そこで見たものは自室に男を招き入れるマルグリットの姿であった。何も知らないアルマンはマルグリットに裏切られたのだと思い込み、絶望に打ちひしがれる。
冬、パリのシャンゼリゼでマルグリットとアルマンは再会する。マルグリットは病が悪化しやつれきっていたが、傍目には新しい愛人と以前通り華やかな生活を送っているように見えた。アルマンはマルグリットへの当てつけに、愛してもいないオランピアと付き合い、ことさらに親しく振舞って見せるが、虚しさだけが募っていく。一方で毅然と振舞い続けていたマルグリットも耐え切れなくなり、病躯をおして一夜だけアルマンの元を訪れる。最初は彼女を拒絶しながらも、もう一度やり直せるのではないかと思うアルマンと、彼に別離の事情を告げることはできず、また自分に残された時間はわずかだと覚悟もしているマルグリットの気持ちはずれたまま、それでも抑え難い情熱に突き動かされ、2人は狂気のような最後の愛を交わす。しかしそれも一夜限りのことだと思ったアルマンは、舞踏会でマルグリットを散々苛めた挙句、「一夜の代金」の入った封筒を突きつける(=マルグリットを「恋人」ではなく「娼婦」として扱ったという意味)。最後のショックについにマルグリットは倒れ、アルマンは傷心旅行に出てしまう。
マルグリットはアルマンと別れた真の理由と彼への愛を日記に書き残していた。『マノン・レスコー』ではマノンは愛するデ・グリュの腕の中で息絶えるが、マルグリットは再びアルマンに逢うことなく孤独な死を迎えたのだった。

